入谷誠先生(足と歩きの研究所 所長)

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今回は平成25年10月6日に【入谷式カウンター理論を応用した理学療法】講演にて講師をしていただいた入谷誠先生にお話を伺いました。

入谷誠先生へのインタビュー

Q1:臨床でいつも心がけていることは何ですか?

A1:次の4つのことを心がけています。

1つ目として、自分の精神状態を常に一定の状態に保つようにしています。そのためには臨床に対する理念を持ち、一日の生活をなるべく同じリズムで過ごすことが大切だと思っています。また臨床に入る前に今日一日の予約状態を把握して、一日の臨床をイメージするようにしています。

2つ目として、患者様を診るときに先入観を持たず、素直に現象を捉えていくようにしています。「この疾患であればこうする」また、「この部位に痛みがあればこう対応する」と決め込んでいる自分を脱するのには時間がかかります。このことを意識しだして10年以上になりますが、今でもこのことを意識し続けています。

3つ目として、症状が良くなる方向が分かっても、反対に悪くなる方向へも誘導して、「確認」するようにしています。この作業を繰り返すことは、新たな発見が多いと感じています。患者様を診るときにはいつも「確認」「確認」と自分自身に言い聞かせながら行うようにしています。

4つ目として、患者様一人一人に全力投球するようにしています。一期一会の精神で患者様に対応し、一回一回が勝負だと思いながら臨床と向き合うようにしています。


Q2:毎日のタイムスケジュールを教えていただけますか?

A2:起床は3時30分で、直ぐに入浴します。そして、4時ごろから今必要だと思っている本を約1時間30分ほど読み、自分で書き留めておきたいことを簡単にパワーポイントに書き残すようにしています。
5時30分ごろより食事をして、5時50分ごろには職場に行きます。まず職場でお湯や水の浄水などの準備を行い、職場周囲の掃除を行います。それが終わったら30分間のウォ―キング、6時30分ごろより昨日臨床で気づいたことをパワーポイントに書き留めておくようにします。そして、さまざまな講演の資料や原稿、図の作製などを行い、仕事仲間への電話連絡などを行います。8時30分ごろから今日の仕事の予約状況を確認して、一日の臨床をイメージします。そして仕事ができるような心と身体と環境の準備をします。
9時から臨床に入り、午前は約1名インソール作製と何名かの調整や他の治療、12時から13時食事休憩、13時から約3名のインソール作成と何名かの調整と他の治療を行い19時に診療を終えます。週に1~2日は無理やり予約を入れてくる人がいるので、その日の終了は21時くらいになります。
その後家に帰り、食事をして少しのんびりして、21時半~22時ごろには就寝しています。


Q3:お休みはどのように過ごされていますか?

A3:月に3~4回程度セミナーや研修会があるので、休みといってもその準備をしていることが多いです。平日と同じように起床し、職場へ6時ごろには着いています。朝から2~3回分のセミナーや研修会に使用する材料の準備、配布資料やプレゼンの準備をしています。原稿依頼がある場合もこの日にある程度のところまで仕上げて、平日の朝にチェックして、仕上げるようにしています。時間があるときには、日ごろ臨床での気づきについて記載してあるので、それをチェックして、考慮しなければならないことを考えるようにしています。また自分の身体を使って足底板の処方や訓練方法、テーピング、鍼、マッサージ等の治療に関するものや、人間の動く仕組みに関するものについて、試したいことを行ったりします。この時間が大変心地よい時間帯になっています。


Q4:尊敬する人を医療人と、医療分野以外の人で教えてください。またその理由があればお聞かせください。

A4:尊敬する医療人は柔整・はり師・マッサージ師として開業していた亡き父、そして柔整師として現在開業している兄です。両人とも視野が非常に広い治療者です。「本当の治療とは何か」を考えさせてくれます。医療人以外では現在は日本航空を立て直した「稲盛和夫氏」です。氏が書いたさまざまな本が、自分の生き方、考え方をしっかりと支えてくれています。氏の本を読むと、生きていくことに燃えてくる感じがします。


Q5:医療人として成長に一番必要なものは何でしょうか?

A5:素直な気持ちで、「患者様を少しでも苦痛から解放させてあげたい」と思うことだと思います。それはいつも身体のことを考えているということで、誰よりも努力するということであると考えています。


入谷先生、ありがとうございました。

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控え室にて臨床議論を熱弁中の入谷先生と研究会園部、今屋


今回の講演は30名募集のところ、400名以上の方からお申し込みをいただきました。
抽選の結果、ご期待にお応えできなかった皆様には本当に申し訳ございませんでした。受講後のアンケートも大変好評で、非常に充実した時間であったことが伺えました。全ての受講生に満足していただけるすばらしい講演となりました。

受講生のアンケートより
「実技が多くて、とても楽しかった」
「入谷先生と実際にお話しする機会があって良かった」
「実際に入谷先生に触っていただき、多くの疑問にも答えていただき、直接指導いただけたので、とても実りあるものになった」
「実技が多いが、以前に受講した座学の内容を踏まえた上なので理解できた」
「すぐに自分でも分かる体の変化を出せる事を、分かりやすく納得できた」

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直接指導を受ける幸運な受講生

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カテゴリー:臨床家の言葉

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